NDはダメという人と素晴らしいという人

世の中にはいろいろな趣味があるので万人に受けるという車が存在しないことはわかるんですが…。
確かに、この車の良さというのはわかりにくいかもしれません。

まず性能面、スペックだけ追いかけていくなら退化です、軽くはなっているがパワーウエイトレシオは悪化している。
これがわかりやすくNCまでの拡大路線で重量据え置きか微増1120kgで200PSだったらたぶんどこからも文句はでなかったんではないでしょうか。
ですが、実際は1.5Lで990kgで131PSというスペックで発売です(これこそがマツダの答えなんですが)。
たぶんまずこれが、受け入れられない方が多かった…、よく言われるのがファミリーカー並みの動力性能です。
実際は高回転までフラットトルクで回るようにカスタムされたエンジンが載っているのですが、スペックだけみると
フィットより非力だとよく揶揄されます(性能曲線や実測データやら見れるひとは違うと思いますが)。
回転を操り、うまくトルクを引き出せる方にとってはまさに意のまま感が出せるエンジンになっています(すごく手が込んでる)。
しかし、残念ながらそんな人ばかりではなく、アクセルを踏んだらもっとイージーにトルクが出て加速していくのがいいという方が多く、
そんな層からは叩かれる原因となってしまっています、確かに2Lや2.5Lあれば、そのようにどの回転数からも
ピックアップよくイージーにトルクが出て加速していくでしょうが、そのイージーさを捨ててくれというマツダの無言のメッセージとも思えます。
高いギアでもぐんぐん加速していくのはもはやロードスターでなく、マツダの目指すライトウェイトスポーツではないということでしょう、
高いギアでもぐんぐん加速が、じゃあなにかというとミドルスポーツ(いわゆる普通のスポーツカー)路線で重量増、パワー増の路線で、
いずれスーパースポーツに連なる道であるということでしょう。
したがって、普通のスポーツカー好きな方から言わせれば、ただの非力な加速性能の悪いエンジンということになってしまうのです、
まあ、実際加速性能は悪いのでなんともいえないのですが…、うまく扱えば日本の速度帯にマッチした範囲で十二分な加速性能は引き出せます。

続いてはそのコーナリング特性です、ロードスターは思い切りロールします、スポーツ走行の速度域では普通のスポーツカーのようにハンドル切ったら
姿勢も崩れず踏ん張ってライン通りにコーナリングしていくそんな特性ではありません、どちらかというとステアリングと同じくらいアクセルワークも必要とされます、
もうアクセルで曲げろといわんばかりの荷重移動ですから、これもまた現代スポーツカー好きのかたには受け入れられない特性です、
つまりはコーナーでロールしすぎる、すぐアンダーが出る、オーバーになるといった感想になってしまうのです。
これは、サスセッティング次第でどうとでもかわります、ただ、SやSSPのセッティングがマツダの回答だということでしょう、
つまりはアクセルで曲がれってことなんだと思います、RSやNR-Aなんかはこういうのもあるというバリエーションの一例でしょうね。

また、この柔らかいサスはステアリングを切ったときまず縮み、ワンテンポおいて曲がり、加速の時後ろが沈み加速する、
というように、荷重が移動するワンテンポがすべての入力について付きまといます、これが独特のタメとなり、テンポを生み出すのですが、
これが最近のスポーツカーにはなく、ダイレクトでないと感じる人もいます。

踏んだら即加速して、ハンドル切ったら即曲がる、それを高度なレベルで求めるのがライトウェイトスポーツというならロードスターはそうではないといえます、
軽い車重でアクセルワーク、ステアリングワークなどテクニックを駆使しやすいようにつくった車をライトウェイトスポーツというならまさにそれは
ロードスターであるといえます。それは限界まで軽量化した車体、細いタイヤ、シフトフィールのいいギア、フラットトルクで
高回転化したエンジン、ダブルピニオン式のパワステ、オルガンペダルや細いステアリングなどこれでもかというほどに考えられています。
これが解らなければ、NDロードスターはただの非力なスポーティカーでしょうね、しかし実際、世界がこの車を認めています、それが事実でしょう。


次はデザインです、よく何かの模倣だと揶揄されますが、これはマツダのデザインのかたも言っていますが機能によってできたデザインです、
出来るだけ軽く、小さくといったコンセプトで線をつないだらこうなったというものです、なにかの模倣ではなくたまたま機能的な線が
似てしまうというのは大いにありえるんですが、それを全体で一貫して行った結果のこのデザインです。これもまた個人の意見はあるでしょうが
カーオブザイヤーデザイン賞を取っているわけですから、なにかの模倣でないと世界が認めたといっても過言ではないでしょう。
とくにその特徴的なLEDヘッドライトですが、好き嫌いが分かれるようです、わたしは丸目が愛嬌があって好きなのですが、
不思議とこのキレイ目な感じもいいと思います、たぶん、機能美がそこにあるからだとおもいます、とってつけたようなデザインなら
これほどいいと思ったりはしないでしょうね。

こうして考えるとNDはかなり個性的ないまどき世界に類をみない和製ライトウェイトスポーツといえるのではないでしょうか。
とはいえ、私もパワー不足は感じますんで、重量がかさまない範囲でパワーが欲しいし、軽くできるんなら軽くしたいですね。
もちろん予算のゆるす限りで(笑)ロードスターは懐にもやさしくなければね。